冬の企画展では、たとえば、荒木田久老や上田秋成、加藤千蔭など宣長と親しく 交わり、時には激しい論争をした友人を紹介します。 また、特に今回は、個人の方から寄贈、また寄託された資料も出品いたします。 記念館には両本居家からの15000点に及ぶ寄贈品の他に、地元松阪市、伊勢市はもとより、神奈川県、石川県、滋賀県など全国の方からの寄贈品も収蔵しています。これら個人寄贈品が収蔵品全体の中で占める割合は多くありませんが、例えば、今回展示する交友のあった人の資料とか、没後に宣長を祭った祭祀道具、当時の松阪の資料など、本居家伝来品に無いものや、またひと味違うユニークなものもあり見逃すことが出来ません。 ぜひご覧ください。
主な展示品
「常盤雪行の図」 美濃賛 1幅(部分) 南山画・宣長詠・小津美濃書 源義経の母常盤(ときわ)御前が、雪の中子供たちをつれて宿敵である平清盛の所へ出頭する場面を描く。 美濃(一七七三〜一八三八)は、宣長の三女。美濃は歌集(八冊約六千首)のほか、多くの和歌を残した鈴門屈指の歌人であり、兄本居春庭の代筆をしていたことでも知られる。
『秘本玉くしげ』 版本2冊・宣長による藩政改革提言書。幕末に木活字で印刷されました。本居家には恐らく無断で印刷されたのだろうでしょう、本居家には伝っていません。本書は個人からの寄贈品。
「宣長添削悟心詠草」 1幅・宣長は教えること、質疑応答を好みました。特に添削が好きで、頼まれもせぬのに添削して叱られたこともあります。