◇ 展示の趣旨 夏の企画展では、『古事記伝』を取り上げます。 西暦712年に、稗田阿礼、太安万侶により作られてから1,000年の年月が流れ、 忘れ去られたようになっていた『古事記』。この現存最古の歴史書を、宣長が〈再発見〉し、解読したのです。 宣長の研究は、『古事記』以外にも、『源氏物語』や言葉の法則、和歌、暦、国号、外交史と、実に多方面にわたりますが、ちょうど小さな川が大河に流れ込むように、あらゆる研究が、『古事記伝』44冊の中に集約されていくのです。 それだけではありません。 少年期からの読書や思索が、また旅の経験や人との会話などすべてが『古事記伝』執筆に活かされたのです。 特に、刊行のための準備作業が開始された57歳頃からは、家族や門人の協力を得ながら、全勢力を完成と刊行に注ぎます。 宣長が亡くなってからは一族と門人がその仕事を継承し、没後21年目に全巻刊行を成し遂げたのです。 つまり、宣長の著作や資料、また本居家の歴史も、皆どこかで『古事記伝』とつながっている、あるいは関連付けることが出来ます。 宣長72年の生涯、それはこの本を書くためにあったと言っても過言ではありません。 今回の企画展では、記念館所蔵品16,000点の中から精選した81種の資料をもとに、この本の構成、内容。また、なぜ『古事記』を研究したのか、執筆のプロセスなど、『古事記伝』の隅から隅までご案内いたします。 また夏の展示では恒例となりましたが 「大日本天下四海画図」 を展示します。宣長17歳の大作をごらん下さい。 ◇ 展示品一覧 ◎ 国重要文化財 ◇=壁面展示
◇ 展示の趣旨 夏の企画展では、『古事記伝』を取り上げます。 西暦712年に、稗田阿礼、太安万侶により作られてから1,000年の年月が流れ、 忘れ去られたようになっていた『古事記』。この現存最古の歴史書を、宣長が〈再発見〉し、解読したのです。 宣長の研究は、『古事記』以外にも、『源氏物語』や言葉の法則、和歌、暦、国号、外交史と、実に多方面にわたりますが、ちょうど小さな川が大河に流れ込むように、あらゆる研究が、『古事記伝』44冊の中に集約されていくのです。 それだけではありません。 少年期からの読書や思索が、また旅の経験や人との会話などすべてが『古事記伝』執筆に活かされたのです。 特に、刊行のための準備作業が開始された57歳頃からは、家族や門人の協力を得ながら、全勢力を完成と刊行に注ぎます。 宣長が亡くなってからは一族と門人がその仕事を継承し、没後21年目に全巻刊行を成し遂げたのです。 つまり、宣長の著作や資料、また本居家の歴史も、皆どこかで『古事記伝』とつながっている、あるいは関連付けることが出来ます。 宣長72年の生涯、それはこの本を書くためにあったと言っても過言ではありません。 今回の企画展では、記念館所蔵品16,000点の中から精選した81種の資料をもとに、この本の構成、内容。また、なぜ『古事記』を研究したのか、執筆のプロセスなど、『古事記伝』の隅から隅までご案内いたします。 また夏の展示では恒例となりましたが 「大日本天下四海画図」 を展示します。宣長17歳の大作をごらん下さい。
◇ 展示品一覧 ◎ 国重要文化財 ◇=壁面展示
◇ 主な展示品 ◎国重要文化財 ◎「古事記伝御題字」1幅 ◎『万葉集問目』 宣長質問 真淵答 ※今本巻9「歌垣」、「よく考て後こたふべし」 ◎『古事記上巻真淵訓』 真淵著 宣長明和5年(1768)写 「宣長書簡」荒木田久老宛 10月4日付 「荒木田久老懐紙」1幅 「宣長書簡」荒木田経雅宛 ◎『天地図』下書 「貝尽し四重重箱」1式 「龍笛」1管 ※宣長愛用 「宣長書簡」横井千秋宛 1幅 ※記伝初帙刊行と奉納を悦ぶ 「鯉の図」田俊画・春庭賛・美濃代筆 「水上のたきつしら波めにかけて心たかくものぼるこひかな、はる庭」 【小津茂右衛門コレクション】 ◎「古事記伝終業慶賀の詠」1幅 「古事記伝板木等譲渡証文」1幅 「夢中感得諸仏図」1幅 小津定治依頼 ◎「大日本天下四海画図」1幅 宣長筆 ◎「神器伝授図」1巻 宣長筆 ◎『日本書紀』9冊 宣長手沢本 ◎『古事記』3冊 宣長手沢本 ◎『先代旧事本記』宣長手沢本 ※〔奥書〕宝暦十四年正月以度会延佳本校合之 ◎『阿毎菟知辨』1帖 宣長著 ◎「年代記」1冊 宣長編 ◎『上代系図』1冊 宣長編 ◎「荒木田尚賢書簡」安永2年 1通 ※さきにかりもたりし古事記伝、つはらによみ侍るに・・」 『書籍借貸日記』1冊 長谷川常雄 【市史編纂室移管本】 ※天明5年「古事記伝第一ノ下」 「帆足京短冊」1枚 『古事記灯おおむね』板本2冊 富士谷御杖著 ※清水浜臣旧蔵【妙楽寺寄贈】 ◇ 今回の展示をごらんいただくために ( ) 付数字は展示ケース番号です。 〈1〉 宣長の生い立ち 〈2〉 京都に行く 契沖の学問との出会い 〈3〉 『古事記』を買う 〈4〉 『古事記』を選ぶ 〈5〉 『古事記』を「読む」 〈6〉 松阪の一夜 賀茂真淵との出会い 〈7〉 古事記・万葉の時代の人と同じ発想法、表現法になる 〈8〉 着々と進む『古事記伝』執筆準備 〈9〉 読み、そして写される『古事記伝』 〈10〉 『古事記伝』の出版、全巻終業、そして全巻完結と完成 〈1〉ー〈10〉全文
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