鈴屋円居の図部分 本居宣長記念館
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現在の展示

◆『古事記伝』完成220年記念

古事記伝の世界 ―220年目の真実―


古事ふることふみ をらよめば いにしえの てぶりこととひ ききみるごとし

(『古事記』を読むと、古の人々の身振り手振りが見えるようだ!声が聞こえるようだ!)

 これは、今から220年前の1798年、宣長が『古事記伝』最終巻を書き終え、詠んだ歌です。京都で『古事記』を買ってから42年。執筆に着手してからでも35年という歳月が流れていました。
 まだ、固有の文字を持たなかった古代の人々が、自分たちの「もの語り」を次世代に伝えようと苦心して書き上げたのが『古事記』でした。宣長は、これを解読すれば、天武天皇が稗田阿礼に語り聞かせたその声を、もう一度再生することが出来るのだと考えていました。宣長にとって『古事記伝』執筆とは、遠い祖先の声を聞く作業だったのです。
 書かれてから220年目を迎えようとしている現在でも、いまだに『古事記』研究書として、また日本の歴史や文化を考える出発点として、その価値を失わない『古事記伝』。しかし、この本のすごい所は現在進行形ということにあるのです。ご存知でしたか。ページをめくると、わからないがこのように考えてみたとか、以前はこのように考えたが間違いだったという言葉が随所に出てきます。とりあえず、まとめてはみたものの、宣長にとっては終着点、でも研究の上では出発点だったのです。
 そんな今を生きる『古事記伝』の世界をご案内します。
 古典研究への道を示してくれた師賀茂真淵との出会いと交流、執筆するための工夫と秘策、『古事記伝』を読むのが楽しみだった人、遠くから来て写しに来た人、全巻完成の喜び、そして出版……。すみからすみまで『古事記伝』という、とっても贅沢な3か月です。

【会  期】 2018年3月6日(火)〜 6月3日(日)
       ※ G.W.期間中は、休まず開館いたします。
【展示総数】 89種153点  ※内、国重文42点  (変更あり)
【展示説明会】3月17日(土)、5月19日(土)
       いずれも午前11時〜(無料)


◆ 宣長まつりにおける、記念館無料開放のお知らせ ◆

宣長まつり中、下記の通り無料開放及び宣長旧宅・書斎「鈴屋」の特別観覧を実施いたします。
   記念館無料開放    4月1日(日 ) 9:00〜16:30
   書斎「鈴屋」特別観覧 4月1日(日)10:00〜15:00

 


みどころ

1、15歳
 15歳の宣長が、中国4000年を10mに。歴史の構造(カラクリ)に気づいた『神器伝授図』。
 帆足京という15歳の娘さんは、肥後国(熊本県)山鹿から遙々松阪までやってきて『古事記伝』を写しました。

『神器伝授図』宣長筆
▲『神器伝授図』宣長筆

中国皇帝の系図を描き、皇帝の代替わりの時期には朱で線を引いていく。
少年宣長の思考の過程までも見えるようだ。



2、本の世界の地図を作ってみる
「天地図」  『出雲国風土記』
  →「出雲国風土記郡郷図」

 「天地図」は神々の世界の
 地図のようなものです。
◀「天地図」本居彌生写

なんだか不思議な図だけれど、これが最古の歴史書『古事記』上巻の世界!




3、仁徳天皇の浮気に怒った皇后は、大切な三角柏を海に棄ててしまった!
 一体、どんな葉っぱか?
 文字データをヴィジュアル化。勾玉のスケッチ、神々の世界の構造。

『三角柏図』
▲『三角柏図』



4、稗田阿礼の声を再生できないか
「天地」2文字で5年半!どう読むか。『古事記』は、まず読み方が大事。



5、学問の原点

 実践に裏付けられた言葉の持つ重み。
 詮ズルトコロ学問ハタダ年月長クウマズオコタラズシテハゲミツトムルゾ……
 69歳の筆跡。『うひ山ぶみ』と『古事記伝』最終巻、比較してみる。

『古事記伝』巻44(最終巻)宣長筆
丁寧な文字! ▲『古事記伝』巻44(最終巻)宣長筆

69歳のとき、宣長はこの最終巻を書き上げた。



6、2年半の休暇

 『古事記伝』巻16(版本17)の浄書を終えた宣長は、約2年半「記伝」の執筆を中断する。なぜだろう。理由は、休養。35年、ただ黙々と続けるのでは無く、ちゃんと休養期間も取る。緊張感を保ちながら仕事を完成させるには、休暇も大切。



7、手書きから出版へ

 『古事記』原本→写す(『真福寺本古事記』)→出版する(『寛永版本古事記』)→宣長が読む・価値を見出す!→注釈書『古事記伝』とテキスト『訂正古訓古事記』(幕末から昭和初期まで『古事記』といえばこの本)→日本を代表する古典という位置づけ→英語や漫画、映画、アニメ、ゲーム……エトセトラ。

『古事記伝』版本宣長著
▲『古事記伝』版本宣長著

当時印刷出版された、木版刷りの『古事記伝』。
書いた宣長もすごいが、これを刷る職人もすごい!一日に一人の職人が刷るのは、1000枚が当たり前だという……。

 

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