宣長十講

 令和2(2020)年度 宣長十講 

時空をこえる宣長学

 伊勢国松坂で医業のかたわら古典を講じ、『古事記伝』の執筆を営々と続ける宣長。その問題意識や発言は、最初は静かに、次第に大きなうねりとなって、世の中に広まっていきます。
 今回は、その宣長を中心とした流れを「交流」という視点から眺めてみましょう。
 時代を経て進んでいく学問。宣長が古典を研究していく上で大きな助けとなった当時の出版活動は、時代を超えて学問を知るだけでなく、師となる人との出会いという僥倖ももたらしました。また、そんな書籍から過去の先賢たちと向き合い、ときには異論を唱え、宣長は自身の学問を構築していきます。
 交流は、幸せなものばかりとは限りません。いつもの調子でやっていても相手から憎まれることもあれば、学問を愛し「議論は益多く候」と議論の必要性を主張する宣長でも、譲れないこともあります。また、宣長没後であろうともその勢いは衰えません。批判する者もいれば、逆に、宣長著作や活動に強烈な刺激を与えられ、自らの行動の原動力としていった人も。
 そうして、"本居宣長"は時間を、空間をやすやすと越えていきます。一つひとつの交流を覗いてみると、当時の世の中、歴史の流れの中で宣長が果たした役割が見えてきます。歌を詠み、源氏講釈をし、丁寧な字で『古事記伝』を書く。それだけが宣長ではない、新たな宣長の一面を発見するための1年です。

<重要>1月16日および2月20日の講演につきましては、
新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、
開催中止とさせて頂きます。

<重要>【7月より宣長十講の受講方法が変わります】
定員25名の事前予約制となりました。
 >> 詳細

【講 座 日 時】 毎月第3土曜日(4月、8月を除く) 午後2時より
【映像講座日時】 講座翌週土曜日 午後2時より
【場 所】 本居宣長記念館 2階講座室
【受講料】 各回:100 円
【お申し込み・お問合せ】

本居宣長記念館 〒515-0073  松阪市殿町1536ー7 
 TEL: 0598-21-0312 / FAX: 0598-21-0371
 Eメール:info@norinagakinenkan.com

 
令和2年度 宣長十講  時空をこえる宣長学 
 令和2年
5 月16 日 (土) 「師の薫陶 ―宣長宛真淵書簡をひもとく―」
    東洋大学 高松亮太
6 月20 日 (土) 「宣長の源氏注釈と宣長以前の源氏学」
    中京大学 小髙道子
※  5 月16 日および6月20 日の講演につきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止
のため、中止といたします。7 月18 日以降の予定については、以下の通りです。


[7 月以降の開催予定]
※今後の状況により、講演を中止させていただく場合がございます。

<7月より宣長十講の受講方法が変わります>
定員25名の事前予約制となりました。
それに伴い、当日の講座の様子を撮影し、1週間後の土曜日に「映像講座」を 開催することとなりました。  >> 詳細

7 月18 日 (土) 「宣長と和歌山の人々の交流」  
    和歌山地方史研究会副会長 寺西貞弘
 宣長は、松阪に住み、鈴屋を主催した著名な国学者であることは周知のことです。その一方で、寛政4年(1792)に召抱えられた、歴とした紀州藩士でもありました。そのため、生涯3度にわたって、御前講釈のため城下町和歌山を訪れました。今回は、召抱えの経緯や和歌山での行動・待遇などを通して、和歌山の人々との交流の実態を明らかにしたいと思います。
7 月25 日 (土) 「宣長と和歌山の人々の交流」
映像講座   和歌山地方史研究会副会長 寺西貞弘
9 月19 日 (土) 「時空をこえる宣長学」
  本居宣長記念館 井田もも
 宣長の学問や交流の記録は、21世紀の現代にも多くが遺され、当時の様子を私たちに教えてくれます。賀茂眞淵との通信教育は有名ですが、宣長の学問が各地に広まる一因ともなった門人や友人との交流はどのように行われていたのでしょうか。対面? それともやっぱり手紙? 本居宣長記念館が所蔵する資料を手がかりに、その実態を考えたいと思います。
9 月26 日 (土) 「時空をこえる宣長学」
  本居宣長記念館 井田もも
※19日と同じ、対面での講座となります
10月17 日 (土) 「荒木田麗女と宣長の論争」
  京都産業大学 雲岡梓
 宣長が上田秋成など、さまざまな学者たちと論争を行ったことは有名です。しかし、荒木田麗女という伊勢に住む女流文学者と、『野中の清水』という物語についての論争を行ったことは、あまり知られていません。荒木田麗女とはどのような人で、二人の間にはどのような議論が交わされたのでしょうか。当時の資料をもとに、論争の内容を明らかにしたいと思います。
10月24 日 (土) 「荒木田麗女と宣長の論争」
映像講座 京都産業大学 雲岡梓
11月21 日 (土) 「宣長の学問と飛騨国学―田中大秀を中心に―」
  元岐阜大学教授 早川万年
 本居宣長の主著は『古事記伝』ですが、多くの宣長の門人たちも、師の方法に学びつつ、日本の古典を研究しました。田中大秀は飛騨高山の人、最晩年の宣長の門人です。主著は『竹取翁物語解』。大秀以降、飛騨の地において、古典・考古・郷土史の研究が広がりました。この大秀の著作に注目して、本居宣長の学問の影響を考えていきたいと思っています。
11月28 日 (土) 「宣長の学問と飛騨国学―田中大秀を中心に―」
映像講座 受付終了        元岐阜大学教授 早川万年
12月19 日 (土) 「孫弟子からみた本居宣長―小津久足の宣長批判―」
  山口県立大学 菱岡憲司
 馬琴の友人、また蔵書家としても名高い小津久足は、本居春庭の弟子、すなわち本居宣長の孫弟子にあたります。しかし久足は宣長のことを「英雄人をあざむくの説あり」と述べるなど、しばしば批判的な言葉を残しています。今回は、未紹介の資料も交えつつ、著作や手紙などから、宣長批判の具体的な内容を追っていきたいと思います。
12月26 日 (土) 「孫弟子からみた本居宣長―小津久足の宣長批判―」
映像講座 受付終了         山口県立大学 菱岡憲司
 令和3年
1 月16 日 (土) 「宣長の読書と出版」   
    感染症拡大防止のため、 開催中止   中京大学 中川豊
 版本を得て、読み、そして積極的に出版により著作を世に発信する宣長。当時の出版状況、公家社会における古今伝授や出版への意識などを踏まえつつ、宣長の「出版」という情報発信の捉え方について改めて考察を加えたいと思います。また「林崎文庫之碑」(林崎の文庫の詞)を通して、宣長の蔵書に対する保存意識にも踏み込みます。
1 月23 日 (土) 「宣長の読書と出版」
映像講座   中京大学 中川豊
2 月20 日 (土) 「本居宣長と蒲生君平との交流とその意義」
  感染症拡大防止のため、 開催中止   蒲生君平研究家 阿部邦男
2 月27 日 (土) 「本居宣長と蒲生君平との交流とその意義」
映像講座 蒲生君平研究家 阿部邦男
3 月20 日 (土) 「『日本書紀』と宣長学」
  皇學館大学 松本丘
 宣長は、『古事記伝』一之巻に「書紀の論(あげつら)ひ」を掲げて、従前の『日本書紀』観に対して異を唱えました。本講座では、漢意によって潤色されたと説かれる『書紀』が、宣長の学問においてどのような位置を占めているのか、また、橘守部『稜(い)威(つの)道(ち)別(わき)』をはじめとする、宣長の立場への反論について考えてみたいと思います。
3 月27 日 (土) 「『日本書紀』と宣長学」
映像講座 受付終了         皇學館大学 松本丘
 

 


宣長十講

第1回  平成 2年度
第2回  平成 3年度
第3回  平成 4年度
第4回  平成 5年度
第5回  平成 6年度
第11回 平成12年度
第12回 平成13年度
第13回 平成14年度
第14回 平成15年度
第15回 平成16年度
第21回 平成22年度
第22回 平成23年度
第23回 平成24年度
第24回 平成25年度
第25回 平成26年度
第6回  平成 7年度
第7回  平成 8年度
第8回  平成 9年度
第9回  平成 10年度
第10回  平成 11年度
第16回 平成17年度
第17回 平成18年度
第18回 平成19年度
第19回 平成20年度
第20回 平成21年度
第26回 平成27年度
第27回 平成28年度
第28回 平成29年度
第29回 平成30年度
第30回 2019年度

会場:第1回(平成2年度)~第9回(平成10年度)本居宣長記念館講座室
   聴講者が外にまで溢れる盛況により、
   第10回(平成11年度)から 松阪市中央公民館

  ◆ 講座風景 ◆


平成4年度「没後の門人 平田篤胤」 
谷省吾 先生


平成13年度「宣長の門人指導」 
白石克己 先生

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