midashi_b 版木

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 版木で印刷することを「桜にのぼす」と言ったりするが、日本では、版木の材料は桜、それも山桜が最も良いとされてきた。
 桜の木は緻密で墨の含み具合が良く、掘るときは柔らかく、時が経つにつれて硬くなる。版木の保存は場所をとるが、比較的扱いも簡単で、印刷する技術も単純なため、今でも材料と技術が揃えば、再度使用ができそうな程だ。
 宣長の主要著作の版木は、植松有信が彫った。宣長著作はロングセラーが多かったので、その版木は、明治初年まで使用された。
 桜を焚き火に使う馬鹿はいない、と言い、また桜をこよなく愛した宣長さんだが、著作刊行という、いわば自分の分身を造るときに、また桜の力を借りたのだ。


『古事記伝』一之巻 版木

『古事記伝』一之巻 版木
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『古事記伝』一之巻 版木

『古事記伝』一之巻 版木



(C) 本居宣長記念館


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