長谷川元貞( ハセガワ・モトサダ)

 寛政8年(1796)〜安政5年(1858)4月4日。享年63歳。江戸後期の松坂富商。店は江戸大伝馬町の木綿商丹波屋、その8代目当主。通称治郎兵衛、字禎卿、号梅窓、六有斎。家を環翠亭と号す。文雅を好み、歌は本居春庭、茶は千認得斎、玄々斎、書は市河米庵、巻菱湖に学び、密教、俳諧、漢詩に通ず。本居家を庇護し、交友は頼山陽、中島宗隠、梅辻春樵、貫名海屋等、広く逸事に富む。蔵書家でもあり、豊宮崎文庫に『類聚国史』『台記』、林崎文庫に『古事記伝』等献納。『春雨物語』所蔵でも知られる。また、馬琴書簡に、所蔵する『東雅』を長谷川が買うとの知らせを歓び、次のように言う。
 「長谷川主ハ名ハ元貞、号六有とて、和漢の学者、風流家ニて、拙随筆玄同放言、燕石雑志なとも蔵弄あるよし被仰示、甚なつかしき心地せられ候」(天保11,4/11付安守宛・『【日本大学総合図書館蔵】馬琴書簡集』P135)  蔵印は「六有斎図書記」「六有斎所蔵」「六有図書」。著書は随筆『聞侭之記』(47冊、稿本)。


> >「『春雨物語』と伊勢」



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