midashi_b 自分の作品を人に見せること 1

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「本居宣長書簡」(明和7年8月12日付谷川士清宛)に、
詠んだ歌や、また著作を見せることへの宣長の思いが語られている。
 まず歌を見せたときのこと。

 士清さんが私の歌について批評してくださったことを嬉しく思っています。
歌でも何でも、誰かに見せたときに、
ああ結構ですねえとだけ言ってそれに対しての批評をしないのは誠意に欠けていると思います。
あなたのような批評をしてくださってこそ、見せた甲斐があるというものです。
大変嬉しかったので、またまた下手くそな歌、古風も近風も、
長歌も短歌も書き連ねてお見せします。面倒に思われることでしょうが、
一覧いただき、良いこと悪いこと思われたことを包み隠さず聞かせてください。

〔原文〕
「かんのくたり〔上の条〕さまざまの事、くはしくあげつらひの給はせし事、
かへすがへすうれしくなん思ひ給ふる。歌も何も、人に見せたるに、たゞよしとのみ物して、
わろき事いはぬは、いとまめならぬわざ也。君のしめし給へるごとくてこそ、
見せ奉しかひありけれ。これがうれしさに、又しもひがひがしき歌ども、
ふるきふり近きふり、長きみじかき、かきつらねて見せ奉る。
うるさくはおぼすとも、一わたり見給ひて、
又々もよきあしきおぼさんまゝに、つゝみ給はでしめし給へ。」


>>「自分の作品を人に見せること 2」



(C) 本居宣長記念館


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