「西河の里也。安ぜんじより。一里といひしかど。いととほく覚えき。山の中につゝまれて。いづかたも見はるかす所もなき里なるを。家ごとに紙をすきて。門におほくほせる。こはいまだみぬわざなれば。ゆかしくて。足もやすめがてら。立入て見るに。一ひらづゝすき上ては。重ね重ねするさま。いとめづらかにて。たつこともわすれつ」