『古今選』(コキンセン)

 『万葉集』及び二十一代集から、宣長が佳とした歌を撰び分類したアンソロジー。宝暦8年(1758)1月20日起稿し、初稿として1,279首を撰び、再び増補し合計1,870首を撰び、3月22日脱稿した。僅か2ヶ月の間で『万葉集』、『二十一代集』合計約38,000首を読み、吟味し、写し取る作業、しかもそれを繰り返したのは驚くべき集中力である。

    二十一代集をつぎつぎよみて思ひつゞけける
  言のはの うつりもゆくか よゝにふる 人の心や しぐれなるらん

 これはこの頃の心境を詠んだ歌である。この時期、宣長は嶺松院歌会に入会し活動を開始する時期である。自分の和歌観を再点検する意味もあったのではないか。

 刊行は、生前から計画されていたが、享和元年9月1日付、植松有信宛書簡で、もう一辺二十一代集を読まなければいけないのでまだ着手していないと書き送っている。その月29日宣長は没し、結局、村田並樹の序文(文化5年3月)を添えて刊行されたのは文化5年であった。
 草稿本、再稿本が伝わる。草稿本は『端原氏系図』の紙背に書かれ、また一部は『十三代集抄』(仮称)と言う書名で伝わる。


>> 「宣長の使った古典のテキスト」の『二十一代集』
>> 「嶺松院歌会」
>> 「帰郷後の宣長」



(C) 本居宣長記念館


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