孔子(コウシ・クジ)

 中国・春秋時代の人。儒教の祖。『論語』はその言行録。

 宣長が最初に四書を学んだのは12歳からの師事した岸江之仲の下で、堀景山門では『春秋左氏伝』を精読し、『論語』を抜抄(『摘腴』)する。また友人宛の書簡では「浴沂詠帰」を引き自らの「風雅」の正当性を主張する。

 53歳の時にも『論語』を再読した。宣長は孔子の言動と伝えられるものに対して批判もする(『玉勝間』)が、「聖人と人はいへども聖人の同列(タグイ)ならめや孔子はよき人」という詠(寛政12年)にあるように、基本的に共感を持っていた。鈴木朖は「送本居先生序」(『離屋集初編』)で「先生ノ風ハ頗ル仲尼ニ似タリ」と言い、宣長もそれを喜ぶ。また、宣長は「吾が本国を外にするは、己がよる所の孔子の意にも、いたく背けるものなり」と日本の儒学者の態度が孔子の本意に背くこと衝く。宣長の孔子に対する発言には、儒者よりむしろそれ以外の石川雅望等の反発があった。


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(C) 本居宣長記念館


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