宣長のまなざし 宣長のまなざし

 44歳像は、著述の最中に筆を休めた宣長が満開の桜を眺める姿を描く。筆と硯が執筆途中であることを表し、また落花数片は花が活けられてからしばらくの時間が経過したことを物語る。また、桜を眺めることは少し上に向けられた視線で明らかとなる。破棄された最初の像において視線は真っ直ぐ前を向いているが、これでは視線の行方が定まらず、物思いに耽っているようにも見える。僅かな改変により画題はより明白となっている。
 髪は結わずに後ろになでつけたまま垂らし、鈴屋衣を着す。衣のひこは現存する衣とは異なるが、44歳の頃の衣がこのようであったのか、それとも適当に描いたのかは不明。鈴屋衣の下が白の長着1枚であるのも、61歳、72歳像と異なる。姿勢は正座。これが常態であることは、娘ひだの証言で明らかである。
「本居宣長四十四歳自画自賛像」(顔と桜部分)

「本居宣長四十四歳自画自賛像」
(顔と桜部分)

 ら ん
宣長は瓶の桜を見て何を考えているのかな?



(C) 本居宣長記念館


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