midashi_v.gif 『歴朝詔詞解』(れきちょうしょうしかい)

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 6巻6冊。本居宣長著。内題は「続紀歴朝詔詞解」。

『続日本紀』に載る62篇の「宣命」を、第一詔から第六十二詔と命名し、校訂し注釈を付したものです。「宣命(せんみょう)」は、天皇の勅命です。
本書では、最初に「まづとりすべていふ事ども」とし、宣命について字義から、時代変遷など総説を記します。

本書の中で有名なのは、第十二詔、天平21年(749)夏4月1日、聖武天皇が建設中の東大寺大仏に行幸し、陸奥国から黄金が発見されたことへの感謝を述べた聖武天皇のお言葉への宣長のコメントです。聖武天皇は、北面して、最初に「三宝の奴」、つまり私は仏の弟子だ、と宣言されます。
衝撃的なことです。
この箇所について宣長は、「あまりにあさましくかなしくて」読みあげることもはばかられるので、心ある人はここを読まないで欲しいと述べています。読みも付けられていません。
この時の聖武天皇の御心については、東大寺長老 森本公誠師が「聖武天皇の実像を追って」(第57回・奈良新聞2009年10月31日)で詳しく書かれています。

『古事記伝』が完成し70歳になった宣長は、驚くべき集中力で本書を執筆しました。大きな用紙に細字でびっしりと、いささかも停滞することが無く、流れるように書かれています。古典への強い思いが満ちた言葉です。

寛政11年6月起稿。同年10月初稿出来、翌年2月再稿本に着手、4月23日出来。刊行は没後2年目の享和3年9月。板元は永楽屋東四郎。序は殿村(大神)安守。



>> 「祝詞・宣命の研究の目的」
>> 『宣命抄 続紀歴朝詔詞抄』



(C) 本居宣長記念館


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