『紫文要領』(シブンヨウリョウ)

 奥書に、

 「右紫文要領上下二巻は、としころ丸か、心に思ひよりて、此物語をくりかへしこころをひそめてよみつゝかむかへいたせる所にして、全く師伝のおもむきにあらす、又諸抄の説と雲泥の相違也、見む人あやしむ事なかれ、よくよく心をつけて物語の本意をあちはひ、此草子とひき合せかむかへて、丸かいふ所の是非をさたむへし、必人をもて言をすつる事なかれ、かつ文章かきざまは〔な〕はたみたり也、草稿なる故にかへりみさる故也、かさねて繕写するをまつへし、是又言をもて人をすつる事なからん事をあふく、とき〔に〕宝暦十三年六月七日 舜菴 本居宣長(花押)」
とある。

 本書は、『源氏物語』研究に一区切りつけて『古事記』研究の着手しようとしてまとめていた物であろう。上下2巻で140丁(280ページ)もある本を、真淵と対面後2週間で書くとは考えられないので、それ以前の着手と推定される。真淵と会って『万葉集』の質疑を開始するべく大急ぎで完成を急いだのかもしれない。

『紫文要領』

『紫文要領』


>> 「宝暦13年」
>> 『源氏物語玉の小櫛』
>> 『源氏物語年紀考』



(C) 本居宣長記念館


目 次
もどる