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◆ 書名

「すががさのにっき」と読みます。「すげがさ」ではありません。自筆稿本題簽「すがゝさの日記」、版本題簽「須我笠の日記」とあります。また本文一番最後に「スガヾサ」とルビがあります。
【別称】「吉野の道の日記」(『玉勝間』)
◆ 43歳の宣長 
後厄。妻勝32歳、長男春庭10歳、次男春村6歳、長女飛騨3歳。
◆ 本書の成立年

明和9年(1772)4,5月頃か。5月7日付・谷川士清書簡に、借用を希望することが、また7月晦日付の士清の書簡に、借用の礼と感想が記されているので、帰宅後まもなく執筆されたと考えられる。刊行は、寛政7年(1795)。それまでは写本で流布した。
◆ 旅の持参品

宣長は「たいした日数の旅ではないので特に準備という程のこともないが、そわそわする」と書いているが、実際は、山間部を行くため、宿と言えば木賃宿。ある程度はお米や味噌なども持参したかもしれない。したがって、かなりの荷物となったはずだ。
宣長自身が持っていた物としては、
『大和国中ひとりあんない』木版1枚。正徳4(1714)刊。宣長書入。大和国(奈良県)の概略図。当時の旅はこの程度の簡単な地図を頼りとしていた。
『和州巡覧記』木版1冊。貝原益軒著。宣長書入。元禄9年(1695・益軒57歳)成立。和州(奈良県)のガイドブック。平明な表現で、地域の特色をよく伝えている。広く普及し、宣長も若い頃から愛読し、簡略だが要所に宣長は書き入れをしている。
「ぬさ袋」宣長使用。袋には宣長の「うけよなほ花の錦にあく神もこころくだきし春のたむけを」の歌が付いている。また『菅笠日記』には「明日たたんとての日はつとめてより麻(ぬさ)をきざみそそくり」とある。ぬさ(幣)は旅の途中、峠や道に祀られている神(道祖神)ささげる物。もとは木綿(ゆう)や麻で作ったが、後世は布や紙が多い。
「このたびは幣もとりあへずたむけ山紅葉の錦神かみのまにまに」菅原道真『古今集』
「伊勢茶」これは木賃宿に泊まるための、つまり自分たちで飲むお茶でしょう。思いがけず、知り合った人へのプレゼントになりました。(但し、この人との出会いはフィクションだとする説があります)
このほかに、雨具、それから手帳や矢立は必携だったはずです。
『大和国中ひとりあんない』 『和州巡覧記』 「ぬさ袋」
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