midashi_v.gif 宣長と出版

l_v3.gif

 宣長の最大の功績は、学問の世界を開かれたものにしたことである。宣長は、本は出版されなければいけないと考えていた。それは、少年の頃から本を友としてきた実体験に基づくものであり、また、人が一生に出来る仕事の限りを知っていたからでもある。

 江戸時代、日本にも印刷出版の時代がやってきた。木版印刷の方法が普及し、都市には本屋が出来、それまで特権階級しか目にすることが出来なかった古典が続々と刊行された。
 宣長はこのような時代の恩恵を充分に受けた。刊行された本で、時間を隔てた「契沖」の学問を知り、空間を隔てた「賀茂真淵」の業績に接し、そして生きる方向を決めた。また、愛読書『源氏物語湖月抄』も、ライフワークの対象『古事記』も、全て出版された本であった。

 出版により、多くの人が自らの好奇心で学問の世界に参加したことで、さらに多くの本が発掘され世に紹介されていった。現在でも注目されるような本が続々と公開された。
 例えば『元暦校本万葉集』、また『古事記』を初めとする真福寺本。また、伊勢神宮の文庫にはたくさんの本が集められていった。これらは、賀茂真淵や本居宣長の学問と言う裏付けがあり、日本古典研究の貴重な財産となっていったのである。


>> 「真福寺本『古事記』」
>> 『元暦校本万葉集』



(C) 本居宣長記念館


目 次
もどる