midashi_v.gif 『玉勝間』(タマガツマ)

l_v3.gif

 本居宣長の随筆集。14巻、目録1巻。刊行は、寛政7年(1795)から文化9年(1812)。読書の時の抜き書きや、読書遍歴、また賀茂真淵との出会いなど、読んでもらうことを目的として選び、また書いた1005項目を載せる。数多い近世随筆の中でも、刊行されたものとしては、分量が多い部類に属するだろう。
 文章の妙を見せ、個人的な感想を述べる現代の随筆(エッセイ)と違い、近世随筆と呼ばれるジャンルは、考証や抜き書きが多く、自らの感想や意見を述べることはむしろ少ない。だが、本書は硬軟バランスよく配列してあり、読み物としても最上のものとなっていて、愛読者が多い。また、「宣長」と言う人を知る上でも基礎資料となっている。巻14の途中まで清書して没したため、大平の息子・建正が後を継いで完成させ、奥書を書く。


「玉勝間」

「玉勝間」 国重文 草稿本 第一冊


>> 「『玉勝間』って面白い本?」
>> 「初版と再版」
>> 「資料編」「『玉勝間』抄」
>> 「建正」



(C) 本居宣長記念館


目 次
もどる