midashi_v.gif 短冊

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 短冊とは和歌などを書く細長い紙だ。
 本来は、メモ用紙だった。今も七夕では笹の葉にぶら下げたりするのがその名残だ。物の本によると、「短冊」と言う言葉は平安時代からあった。メモ用紙として、古代の「木簡」に代わり使用されていた。それが歌会での題を引く「くじ」に使われたことからいつしか(鎌倉時代中頃か)和歌を書くようになり、やがて寸法や料紙なども定まってきた。昔のごく一般的な短冊は材質は鳥の子紙か檀紙、模様は雲形(内雲り)、寸法は縦30cm、横6cm位である。

 宣長は好んで短冊に歌を書き、またそれを与えた。『本居宣長四十四歳自画自賛像』の机上にも置かれている。
「はたかなへ頼之歌扇面へ相認候義は、近年何方も断申候事故、別にたんざくへ相認遣申候」(寛政10年5月24日付植松有信宛書簡)
と、扇面へ歌を書くことを断わるかわりに短冊は許諾したこともある。師の賀茂真淵が短冊を備忘書とし、遺さずまた人に与えなかったのとは対極を為す。参考までに、真淵の短冊は「珍短」と愛好者の間では言われ、現存する自筆は10数枚と言われている。

 さて、宣長は短冊を歌会でも使用し、題は他筆、歌が自筆というものも残る。宣長の好みの短冊は、打曇で上が藍、下が紫のものが多い。金などの派手なものは余り好まなかった。大きさは平均すると縦35cm、横5.5cm位である。小短冊はあるが、大短冊はない。

 短冊は宣長にとって和歌はその学問の一つの柱、あるいは基礎であると共に、生涯を通しての楽しみでもあり、また、晩年にはその家計を助ける術ともなった。宣長はあまり派手な短冊は使用していないが、一族の短冊は美しい図柄のものがあり、個人の好みやまた書かれる書体美ととともに目を楽しませてくれる。また門人たちも師に倣い、多くの短冊が今も残される。
本居宣長短冊

本居宣長短冊
「鴨川納涼・
嵯峨山松」

 
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>> 「机の上の短冊、色紙など」
>> 「色紙」

 



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