midashi_v.gif 『地名字音転用例』(チメイジオンテンヨウレイ)

l_v3.gif

 本居宣長著。寛政11年(1799)6月刊。
 「信濃」でどうして「シナノ」と読むのか。本当ならシン・ノウではないか。「相模」を「サガミ」となぜ読むのか。このような、本来の漢字の音が地名表記の際に転用されていく実例を挙げその法則性を探ろうとした本。

  上代の日本の地名表記は、和銅6年(713)5月の詔勅で「畿内七道諸国郡郷の名、好(ヨ)き字を著(ツケ)よ」とされ、『延喜式』「民部式」で「みな二字を用い必ず嘉名(カメイ・好い名)を取れ」と書かれるように、好い字二文字という原則があった。そのために本来の漢字音とは異なる文字の使い方が見られた。古代の地名については『古事記雑考』でも地名として挙げ、また「雑考」からは少し遅れる明和6、7年頃には、『地名字考』を書く。それを改訂補正したのが本書である。

 寛政10年11月11日版下、袋、外題を板木師に送る。翌寛政11年2月、初稿。3月7日、2校。6月11日版本出来る。

【翻刻】
『本居宣長全集』5巻

【参考文献】
「『地名字音転用例』が論じたもの」犬飼隆『鈴屋学会報』15号。


>> 「『延喜式』って何の本だ?」



(C) 本居宣長記念館


目 次
もどる