殿村常久(トノムラ・ツネヒサ)

 安永8年(1779)〜文政13年(1830)7月4日。享年52歳。安守の異母弟として安守に兄事し、また安守も良く慈しんだという。寛政12年(1800)には宣長の門人となり、師没後は春庭門人となる。春庭が亡くなった時には、『詞の八衢』の例語を詠み込んだ29首と、『詞の八衢』、『詞の通路』の書名を詠み込んだ歌2首を手向けた。また、滝沢馬琴のよき読者であったが、その交際も安守の影響であったと思われるが、常久没後の天保3年(1832)5月刊の『南総里見八犬伝』第8輯上帙の冒頭に、『八犬伝』の登場人物を詠み込んだ常久の8首の歌を載せ、追悼文を記している。その中に「性謙譲、而不遊於名利間」という句は、常久の人柄をよく表している。江戸で没して、松坂常念寺に葬られたのは同月18日であったという。著作には『宇津保物語年立』(文政4年刊か)、動詞の活用表『かたばみ草』、また『枕草子』の植物を考証した『千草の根ざし』(文政13年刊)、紀行『但馬日記』などがある。

伝・殿村常久像 鴨川井特画

伝・殿村常久像 鴨川井特画


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