midashi_g.gif 四五百森(ヨイホノモリ)

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 宵の森、千五百森とも言う。松坂城周辺の森。松坂の歌枕として宣長も歌に詠み、またそれを画賛に所望されることも多かった。

 宣長に『千五百森伝説』(チイオノモリデンセツ)と言う本がある。原本は天理図書館所蔵。内容は、「千五百森伝説」と「四五百森神社之考」(草稿・再稿)。2作は一連のもので、「千五百森伝説」では、松坂城のある一帯「四五百森(ヨイホノモリ)」に関わる伝説や記載を集め、「四五百森神社之考」では同社の名前の変遷を考証する。「神社之考」の文体から、藩などからの下問に答えたものか。

 名前の由来だが、本書に依れば、『延喜式』所載「意悲(オヒ)神社」を「いひ」と誤読し、「飯」からの連想で稲荷社、また瑞穂宮が出て、更に、「瑞穂」が『日本書紀』「千五百秋之瑞穂国」の連想を呼び「千五百森」となったのではないか。また、「おひ」が「よひ」(宵)となり「宵の森」と言われ、そこから「四五百森」という訛伝が生じたのだろう。成立年は不明だが、引用する『神宮雑例集』書写の安永3年(1774)12月12日以降、類似する内容を有する『敏太神社考』の成立した同8年前後かと推定する説がある。

【翻刻】
『本居宣長全集』18巻。


>>「宵の森の歌」
>>「『延喜式』って何の本だ?」



(C) 本居宣長記念館


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