midashi_b 銭屋の看板

l_b3

 『鈴屋大人都日記』石塚龍麿著に次の記事がある。

 「(享和元年五月)十七日雨ふる、かの柏淵来てこひ奉ればおのかつくれる書ともを、ことごとくたくはひおきてまめまめしく世にひろむる書あき人は、此柏淵某になもあるを、そのよしの歌よみて、えさせよとこふままによみてあたふとかき給ひて

能理奈賀かあらはせるふみえまくほりもとめむ人はこのやとひこね

とよみてあたへ給へれはいたくよろこへり」
 宣長が宣伝用の歌を書いてやったのだ。
 「宣長が著せる書を得たい探したいと思うならここの店にいらっしゃい」
柏淵は京都寺町通仏光寺下ル町にあった、華箋堂銭屋利兵衛。『漢字三音考』や『鈴屋集』など宣長の版本の刊記の売弘所によく名前が載る本屋である。



(C) 本居宣長記念館


目 次
もどる