midashi_b 国学者の蔵書印・蔵書票

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 本を積極的に貸し借りしようという宣長の主張と実践は国学者の間で浸透していった。貸し借りの時に効力を発揮するのが蔵書印、また蔵書票(ex-libris)だ。中には非常にユニークなものもある。

 まず宣長の場合は「鈴屋之印」。もちろん53歳、新書斎増築以後使用であろう。この蔵書印を押してある本は、「坊間稀」で、大半は本居宣長記念館にある。

 養子となった大平の蔵書票には、 「書かさば かりてよむとも よまば又 かしたるぬしに はやかへすべし 大平」(本貸さば借りて読むとも読まばまた貸したる主に早返すべし)という歌が書かれている。縦12.0×横6.0cm。この蔵書票の実物は見たことがない。東京大学本居文庫は大平の旧蔵書を多く収めるが、そこにはたくさんあるのだろうか。挿絵は高木文『好書雑載』から採った。歌と言うより七五調の文句のようなものだが、かえって実直な性格をよく表している。

 宣長没後の門人、伴信友の蔵書印には、「このふみを かりてよむひと あらむには よみはててとく かへしたまへや」(この本を借りて読む人あらむには読み果ててとく返し給へや)と言う歌が書かれる。真ん中は伴信友家の常紋「三つ巴」。

 堤朝風(ツツミ・アサカゼ)の蔵書票もまたユニークだ。「第一と第二のゆびもてひらくべし、其よみたるさかひにをりめつけ、又爪しるしする事なかれ」。親指と人差し指で開くこと。折り目は付けるな。爪印は付けるな。朝風は、宣長の年譜を編んだという大平門人である。 読みたい人には本を貸してやる。しかも大事にしたのだ。

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「宣長の蔵書印」 「鈴屋之印」
「大平の蔵書印」「書かさば・・」

「宣長の蔵書印」
「鈴屋之印」

「大平の蔵書印」
「書かさば・・」
「伴信友の蔵書印」
「堤朝風の蔵書印」

「伴信友の蔵書印」

「堤朝風の蔵書印」

「鈴屋之印」 実際の使用例
「鈴屋之印」 実際の使用例

「鈴屋之印」 実際の使用例



(C) 本居宣長記念館


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