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◇ 古体の歌
宣長の詠む歌は「後世風」ですが、『古事記』や『万葉集』研究のためには「古風」(古体)の歌を詠むことが必須です。真淵と会った直後の、宝暦13年(34歳)6月、この頃初めて「古体」の歌10首(春2・夏1・秋2・冬2・恋3)を詠んでいます。これらの歌は、書簡と『万葉集』の質問と共に師・真淵に送られ、添削と入門の許諾を請うことになります。
この「古風」か「後世風」か、大平が宣長にした質問とその回答が残されています。
「歌風問答」という仮題がついたこの質疑応答の概略を紹介しましょう。
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先生は直く正しい上代を尊びながら、歌は新古今風のものを手本とするのはどうしてですか。
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茂穂(後の大平)
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宣長
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最近の俳諧などは論外だが、古ければいいと言うものではない。三代集(『古今集』、『後撰集』、『拾遺集』)以前は、優れてはいるが、世界が狭い(「めでたけれど事ひろからで、足はず」)のだよ。ちょうど人間でも20代、30代は、まだ心が「ゆきたらはぬ」ものだ。40,50頃に至って、盛りで、また万事整うものだよ。 |
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このようなことが書かれています。全文は『本居宣長全集』別巻1に載っています。
また、この問題については『宇比山踏』でも詳しく書かれています。
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