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【今回の展示について】
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| Q18、今回の展示「随筆『玉勝間』の世界−作られた混沌〈カオス〉−」について教えてください。 |
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A
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青年時代の「好信楽」という言葉に象徴されるように、宣長はあらゆる物に関心を持ち、それをいつでも使えるようにきちんと頭の引き出しにしまっていました。その山のような知が、一点、たとえば『古事記』に集約すると『古事記伝』となるし、『源氏物語』に集まれば『源氏物語玉の小櫛』となります。反対に、関心を拡散するままに記録するという知の形態を取ったのがこの『玉勝間』です。集約も宣長の知なら、拡散もまた宣長の方法の一つといえるでしょう。
広い関心も宣長の場合には雑然とはしていないのですが、あえて雑然と配置したのがこの『玉勝間』なんだよ、と言うところが展示の主眼ですね。 |
| Q19、どうして整然と並べなかったのですか。わざと散らかしたのはなぜ? |
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A
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主張したいことがある。それをそのまま出すと、読み手は面白くないし、また時には反感を買うこともある。だからさりげなくあちこちにちりばめておいたのかもしれませんね。「混沌〈カオス〉」が作られたと言うサブタイトルの由縁です。 |
| Q20、展示の見どころは? |
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A
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主な展示品は、素材となったノートや草稿本、また同書に登場する人や本、アルファベット図、関連する「長崎の図」、「本居宣長七十二歳像」などです。
特に今回は、「玉勝間体験」をしてもらえるように企画しました。
たとえば「名月の図」(渡辺清画)を展示しました。この絵を見ながら、月は多少雲がかかっているから一層趣があるという兼好法師の言葉を「作りみやび」だと批判する(「うわべをつくる世のならひ」)や、月を詠んだ歌が秋ではないという驚き(「古今集月の歌の事」巻2)に思いを馳せてください。また享和元年京都での宿舎図(「宣長書簡」)や「京の図」を「おのが京のやどりの事」の視線で見てください。「絵の事」のような美意識をもった宣長の目には「本居宣長七十二歳像」はどのようにうつったでしょうか。また皆さんは宣長の字を見て上手と思われますか。宣長は自信がなく不満足だったようです(「手かくこと」)。大きな字の代表「一無庵」や短冊を見てください。参考のため贋作の短冊も展示しました。
このように徹底的に『玉勝間』の世界を味わい尽くしてもらう工夫をしました。
18世紀、松阪を舞台に宣長の知がどのような展開を見せるのか、ぜひご覧下さい。 |