展示品解説

◇壁面展示・◎国重文・○県有形・☆初出品

12,『源氏物語』を読む
51,◎『源氏物語覚書』 1冊
 宣長筆。「かなづかひ」「言葉抄」「源語訳解」「難訳」。逆用裏表紙に「年齢考」「薫」の用例。「詠歌問答栄貞疑問」。署名の「今華風」は、「今井田華風」の意で今井田家を離縁されて帰郷するまでの間(19〜21歳)使用した号。
52,◎『源氏物語湖月抄』25冊   
 北村季吟(1624〜1705)著。宣長手沢本。『源氏物語』の注と年立、系図等からなる。展示は、巻7「須磨明石」巻8「澪標・蓬生・関屋」で、「明石巻」「夢を信じて国をたすくる」の箇所。『古文尚書』、孔子の故事、『礼記』を引き、また宣長の意見として『日本書紀』「神武紀」高倉下が参考となると述べる。

>>「宣長の使った古典のテキスト」
53,◎『紫家七論』1冊    
 安藤為章著。宣長写。『源氏物語玉の小櫛』巻一で、本書を必読書として挙げる。奥書「時に元禄十六年重陽の日武陽小石川の寓居にしてしるし終り侍りぬ、安藤右平為章」。「享保第二十一暦次丙辰孟春望、洛陽散人篤敬斎曲悒子朱印々」。また、「宝暦三年癸酉仲秋十日、於平安寓居倉卒書写畢」。「明和二年乙酉二月晦日繕写終業」、「神風伊勢意須比飯高郡、舜庵本居宣長(花押)」。『宝暦二年以後購求謄写書籍書目』には、「八月 一、紫家七論 一 写」とある。
54,◎「源氏物語抜書」 2枚
 宣長筆。『源氏物語湖月抄』で『源氏物語』を読み進めていく中で、「桐壺巻」から順に自分の研究に重要な箇所を抜き書きし、「情」や「哀れ」などその考察テーマを記す。内容から、『紫文要領』(34歳)執筆以前のものと推定される。
55,◎『源氏物語年立の図』 1冊
 宣長筆。『源氏物語覚書』から『源氏物語年紀考』と一貫して関心を持ち続けた『源氏物語』各巻の年次推定をまとめたもの。「改め正したる年だての図」とある。光源氏と薫の年齢を明らかにし、巻の構成を図解する。展示は、「玉鬘巻」最終年と「乙女巻」最終年が一致する箇所。『源氏物語玉の小櫛』巻3とほぼ同じ内容。表紙に「八月十日」とあり。年次は不詳。
56,◎『源氏四季風景詞』 1冊
 宣長筆。『源氏物語』「桐壺」から「花宴」までの四季の描写を書き抜き分類する。成立年は不明だが、師・真淵の「源氏はけしきを書たるぞいといとよき」(明和2年3月15日付書簡)と言う言葉を受けて抜き出したか。また、四季は『源氏物語年紀考』での年紀推定の根拠ともなり、また宣長の書いた物語『手枕』でも、四季風景描写が多用されるなど、『源氏物語』研究の中でも重要な位置を占める。表紙裏は、堀蘭沢(正大夫)差出宣長宛12月27日付書簡。文面は家督相続祝儀の礼状。
57,◎『紫文要領』 2冊

>>『紫文要領』(シブンヨウリョウ)

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