宣長と源氏物語展への誘い <1>   

熱烈な愛読者 


 『源氏物語』が書かれてちょうど1000年。
 その長い時間の流れの中で、この物語の評価と、読み方で決定的な役割を果たしたのが宣長の『源氏物語玉の小櫛(たまのおぐし)』でした。
この本の完成で、8割から9割が決まったといっても言い過ぎではないはずです。

 しかし宣長がこの場に居合わせたら、
 「私は『源氏物語』を研究していない、愛読しただけだ」
このように言うかもしれません。
 宣長にとって「源氏」は愛読書であり、
冷静な研究者の目で分析したり論じたりはしていないのです。

 


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