宣長と源氏物語展への誘い <6>   

「源氏」の世界との出会い


 少年の頃、京都に憧れ、独学ながら和歌の世界に親しんだ宣長が、
初めてこの物語に触れたのは、おそらく20歳の後半から21歳頃でしょうか。
ただこの難かしい物語を充分に読めたかどうかは、わかりません。
 『源氏物語覚書』 の「源語訳解」には
「やむごとなき」「きは」「めざましき」「あつしく」など『源氏物語』に出てくる言葉を抜き出して訳を書きますが、まだ初歩的な内容です。

 ところが、それから僅か2年で宣長の学問は急速に深まります。
 23歳の春、医者の勉強のために京都に上った宣長は、
人に借りて読んだ契沖の本のすばらしさを評価できる力が備わっていました。
 また、『帚木抄』・『源氏論義』・『紫家七論』など、『源氏物語』に関する本を次々に写します。

 


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