宣長と源氏物語展への誘い <9>   

日本古典を解く鍵は「もののあはれ」だ! 


 帰郷した翌年2月、宣長(29歳)は松坂の歌人サークル・嶺松院歌会に加入します。
その頃、人から
  「恋せずは人は心もなからまし物のあはれもこれよりぞしる」
と言う藤原俊成の歌の「物のあはれ」とは何かという質問があり、
それについて思索を巡らすうちに、

「大方歌道は、あはれの一言より外に、余義なし…
伊勢・源氏その外あらゆる物語までも、又その本意をたづぬるに、
又あはれの一言より外なし」 
   「安波礼弁」宝暦8年5月3日
 と言う結論にたどり着きます。
 あとはこの着想を証明するだけです。
 先ず『排蘆小船』で、和歌とは何かについて考えて、やがて『紫文要領』で「源氏」の本質を考えます。
そして「源氏」の核が「もののあはれ」であることを論証します。

 


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