宣長と源氏物語展への誘い <12>   

「源氏」の文体を真似る 


「源氏を一部よくよみ心得たらば、あつぱれ倭文は書かるる也」

というように宣長は「源氏」の文章を尊重し、
実際に「源氏」では省略された六条御息所と光源氏のなれそめを創作したりもしています(『手枕』)。

 ところが、宣長が源氏の文体を真似て書いた文章を見た真淵が、

使われた詞はたしかに「源氏」だが、気品がない。「源氏」は心高く清らかな文章だ。
「源氏」は景色を書いたところがすばらしい。ただそれを真似てもだめだ。
その「趣き」(雰囲気)を学びなさい、と厳しくアドバイスしています。
                        (「賀茂真淵書翰」)
宣長は先生の教えに従い四季の情景を抜き出して『源氏四季風景詞』を編んでいます。

 『源氏物語玉の小櫛』の閉(とじめ)の歌、

 なつかしみ またも来て見む つみのこす 春野のすみれ けふ暮れぬとも

  今日は帰るがまたもう一度この春野(『源氏物語』)に遊びたいものだ・・・

 


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