本居宣長書簡が寄贈されました



神戸市の谷口勝弘、富美子様から「本居宣長書簡」をご寄贈頂きました。

寄贈日 平成23年7 月22日
史料名  「本居宣長差出横井千秋宛書簡(寛政元年八月二十五日付)」 
    1通(額装)
寸法(本紙) 縦15.5糎、横95.0糎
内容
  1,『玉くしげ』出版と、『玉鉾百首解』序文のこと。
  2,『古事記伝』巻1と巻4の校合摺りと版本が届いた報告。
  3,『神名帳』、『新撰姓氏録』について。
  4,『古事記伝』巻6と巻7の板下を名古屋に送った報告。
  5,『神代正語』板下を名古屋に届けたこと。
     序文はこれで良ければ清書して板下を見せて欲しい。
  6,十五夜の月は最初清明、夜半には曇ってきた。
  7,頂いた「むべ」(ときわあけび)が五、六寸まで成長した。
  8,林杏庵は古学に熱心で鈴木真実の所で世話になっている。


出版の進捗状況、八月十五夜の天気などから寛政元年と推定しました。
むべについては、寛政2年の千秋とのやりとりだけがこれまで知られていましたが、 実はその前年にもむべが贈られてその成長を楽しみにしていたことがわかりました。
このように宣長と千秋、この師弟の心の通い合うとても良い書簡です。
9月13日からの「秋の企画展 日本の秋・宣長の秋」で公開を予定しています。

この書簡は谷口様が家の整理をしておられたときに、
見つけられ、メールでお知らせいただいたのが寄贈のきっかけとなりました。

ところで、宣長の伝記研究は、大きなジグソーパズルのようなものです。
書簡や資料はピースです。
内容が豊富なピースなら場所はすぐ確定できます。
もし置いてみてぴったり一致しないときは、
パズルをしている者(私たち)の勉強不足でしょう。

ごく稀に、従来の組み立ての間違い発見、という場合もないわけではありませんが、それなら大発見です。

たとえばジグソーパズルでも、空の部分みたいに情報量の乏しいピースもありますが、宣長パズルは先人によってずいぶん組み立てが進んでいます。
形や大きさでも、かなり推定が可能です。
今回はとても重要なピースでした。
「むべ」でちょっと戸惑うことがありましたが・・

どうか宣長の関係のものを見かけられたときは、ご連絡ください。



 

2011.8.7