「松坂風俗記」を刊行しました



 宣長の記録の外側を知る恰好の資料、それが『松坂風俗記』です。
 本書は、宣長の高弟服部中庸(はっとりなかつね・1757〜1824)が、
 >> 「服部中庸」
1800年代初め、今からちょうど200年前に、
松坂町の正月から大晦日までの行事を月別に記載して、
とても興味深い本です。200年前の町の様子が手にとるようによくわかります。

 たとえば7月7日には、「今日、家々にそうめんを食す」と書かれていて、
七夕には松坂のどこの家でも素麺を食べていたことを知ることが出来ます。
つまり宣長の家でも食べていたはず。
年によっては、荒木田経雅からの頂き物だったかもしれません。
 >> 「到来物」

 しかし、そのような当たり前のことは記録に残さない。
「記録の外側」 という所以です。

 今回は、中庸の子孫で、東海印刷株式会社社長服部哲雄氏により、
7月25日の同社創業60周年を記念して出版されました。

 



〔本居家から『松坂風俗記』が寄贈された〕
   本居家からの寄贈は、
 1970(昭和45)年11月5日、8712点
 1979年1月21日、1781点
 2005年6月28日、721点
 >> 本居家から宣長資料など721点が寄贈されました

の3回に分けて行われました。
『松坂風俗記』は、3回目の寄贈資料の中から見つかりました。
 それまで、そのような本があることは知られていましたが、
誰も原本を見た人はなく、発見は話題になりました。

 

〔『松坂風俗記』〕とは
 縦12.4センチ、横17センチ、紙数27枚(ページに換算すると54ページ)という小さい本です。
 1813(文化10)年頃から全国規模で行われた風俗(民間の年中行事)調査記録の1冊として、 服部中庸が書きました。依頼者は本居大平です。

 

〔今回の翻刻では〕
 原本の影印(写真)と読み下し、また注と解説を加えました。
 A4 76頁  翻刻と解説は吉田悦之が担当しました。


〔頒布します〕
 今回は、創業60周年記念として印刷されましたが、資料的な価値が高いので、 東海印刷株式会社のご厚意で100部を希望者に販売することになりました。
 販売:本居宣長記念館、3000円(送料290円)。



 

2011.7.26