全長6メートル 一気に書いた三千風さんの名筆を公開します

 大淀三千風の名筆「富山氏築山褒美之詞」(松阪市指定文化財)の修理が住友文化財団助成で完了しました。
 2007年に松阪市が修復した「大淀三千風像」(松阪市指定文化財)と併せて、4月25日から5月17日まで 修理完成報告の特別展示を行います。


 ◇ 「富山氏築山褒美之詞」とは

 今回修復された、「富山氏築山褒美之詞(トミヤマシ ツキヤマ ホウビノコトバ)」は、 富山家自慢の庭園の様子を素晴らしいと称賛し、描写した三千風の代表作です。

◇ 三千風はなぜ豪商富山家の庭をほめたのか
 大淀三千風(オオヨド・ミチカゼ/1639〜1707)は、今の松阪市射和町に生まれ、若くして隠居し、その後、全国を旅しながら俳諧普及に努めた人です。ちょうど芭蕉と同じ時期ですが、 三千風の方が少し先輩で、また旅したエリアははるかに広く本州最北端から四国・九州にまで及んでいます。
 あまり知られていないことですが、三千風は日本の代表的な観光地を発掘し、紹介(『日本行脚文集』)した人でもあります。
 三千風の旅を支援したのが、射和の豪商・富山家でした。

◇ 三千風のパフォーマンスの実態が明らかに
 今回の修復では、料紙が「竹紙」、つまり竹で出来た紙で、書かれる前から糊でつないであったことが判明しました。
 依頼主の前で、長い紙(長さ6メートル)の続くままに一気に文章を草するという、三千風得意の技が見事に発揮されています。
 下書き無しで用意された紙に併せて自由自在に筆を操る技に見ていた人は驚き、拍手をしたことでしょう。

◇ 今回の修復は 財団法人住友財団助成事業です
 今回修理した資料は、2006年8月20日、山本裕治氏(東京都在住)から松阪市に寄贈された「大淀三千風関係資料」160種161点の内の1点です。
  書かれてから300年を経て、虫食いや糊離れなど修復が必要となっていました。
 2007年度 住友財団の文化財維持・修復事業助成対象に選ばれ、京都の岡墨光堂で修復されました。
※過去に修復された三千風資料は、今回展示する「三千風画像」の他に、「本朝十二景」、「伊呂波歌」(いずれも松阪市指定文化財)です。

2009.4.22