ベトナムに渡った 角屋七郎兵衛


 江戸時代初期、御朱印船で安南(今のベトナム)貿易を行った廻船商人・角屋七郎兵衛家(松坂湊町・後に白粉町に住んだ)。
 七郎兵衛栄吉は、安南(今のベトナム)に居住し、鎖国令により、帰国することはかないませんでした。ただ、その死に際し、遺品だけが本国に送り届けられました。
 その後、角屋は、本姓である松本を名乗り、松坂の文化史の中でも異色の存在となった本草学者・松本駝堂、次男で黄檗僧・悟心などを輩出します。
 ちなみに駝堂・悟心親子は、『近世畸人伝』にも登場し、宣長とも交友がありました。

 今回のフロアー展示は、
   角屋七郎兵衛がベトナムから伝えた鍋を、茶道具に見立てた
安南古銅水指と、
   角屋家について記した
『松坂権輿雑集』
   また
「航海図」「御朱印船」
   安南に築いた「松本寺」を載せた
記念絵はがき
を展示します。

 水指となった安南の鍋は、ほかにも持ち帰ってきていて、前の部分を火口に切り取り、3個の獣足をつけ、風炉に仕立てられたものもあります(『神宮徴古館陳列品図録』・『安南貿易家角屋七郎兵衛、附松本一族』)。

 昨年12月20日から、松阪港から、中部国際空港セントレアへの直行船「すずかぜ」も就航し、海外へも、また海外からも、松阪は一段と近くなりました。
たった一つの「鍋」ですが、400年前に異国への夢を羽ばたかせ、その地に果てた
先人をしのんでいただければと思います。


公開期間
 平成19年2月3日(土)〜3月25日(日) ※休館日:月曜日
会  場
 本居宣長記念館(2階フロアー) 


◆講演のご案内◆

「大湊時代の角屋家と伊勢の町」

講 師
 本居宣長記念館 研究員 千枝大志
日 時
 2月24日(土)10時〜11時30分
会 場
 松阪公民館 2階
主 催
 松阪商人を語る会

2007.2.4