
「本は出版しなければならない」
宣長は自らの経験をふまえ、信念を持ってそう語ります。
宣長が生きた江戸時代は、木版印刷が盛んになった時代。本が庶民の手に簡単に入るようになりました。
契沖の学問や『源氏物語』、そして生涯の師・賀茂真淵と出会うことが出来たのも、すべて本のおかげ。学問を広く、時間をこえて伝えていける――自らの経験からそれを強く感じていた宣長は、研究のかたわら、自著の出版にも力を注ぎました。
「松阪の一夜」が叶ったのは、本屋のおかげ?信じられない、出版に携わる職人の業!宣長はじめての出版、思わぬ失敗から、本の貸し借りについての注意事項まで。どこを見ても本ばっかりの宣長の人生をご紹介します。
また、光を失いながらも学問と向き合い、周囲に支えられながら名著『詞のやちまた』を残した息子・春庭関係の史料も展示いたします。ぜひ、ご来館下さい。
期 間 : |
2015年12月8日(火)〜 2016年3月6日(日) |
開 館 時 間 : |
9:00〜16:30 |
会 場 : |
本居宣長記念館展示室 |
入 館 料 :
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本居宣長記念館・本居宣長旧宅「鈴屋」共通
大人 400円 大学生等 300円 小人(小学校4年生〜高校生)200円 |
休 館 日 : |
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日) |
問い合わせ先: |
本居宣長記念館 0598-21-0312 |
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展示品総数
約90種150点 ※国重文約30点 (変更あり)
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主な展示品 ※写真をクリックすると大きめの写真が表示されます。
「釈日本紀歌の巻序」本居宣長筆
「内容はともかく、本は出版しなければならない」
宣長は生涯この信念を貫きました。
「草庵集玉箒板行金子借用証文」
宣長の頃は、出版といえば自費出版の時代。
最初の著作『草庵集玉箒』は宣長と友人2人でお金を出し合って、
松阪の本屋から刊行しました。これは、そのときの借金証文。
返済は現品、つまり出版する本で支払われることになります。
「続紀歴朝詔詞解校正刷り」
出版で重要な校正ですが、宣長の校正は非常に厳しい!
文字の欠けなど、入念にチェックが入ります。
こんなに訂正されたら、版木職人は泣いてしまうかも。
「孫悟空図」 疋田宇隆画(初出品)
本居春庭像を描いた画家・が描いたもの。京都の絵師です。
松阪に滞在していたころの作品でしょうか。来年は、申年ですね。
「常盤雪行図」本居宣長賛 (初出品)
有名になってくると、宣長に賛を書いて欲しいという依頼が多くなって
きました。この「常盤雪行図」は、人気の題材の一つ。
子どもたちを引き連れ、雪を進む常盤御前の姿に、宣長は何度も筆を
とりました。

「常盤雪行図」本居宣長賛
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宣長十講 (いずれも松阪公民館にて、午後2時より)
12月19日(土)「『古事記伝』の「未だ思ひ得ず」考」
早川万年先生(岐阜大学)
1 月16日 (土)「なぞ尽くし 宣長」
吉田悦之先生(本居宣長記念館)
2 月20日 (土)「謎の本『古今題彙』と『古書類聚抄
』
―何のために作り、どう使ったのか―」
上杉和央先生(京都府立大学)
3 月19日( 土)「山室山奥墓の謎 ―宣長の死生観―」
秦昌弘先生(桑名市博物館)
☆ 新規寄贈品2点を公開いたします!
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