宣長の長男、春庭が13歳の時に写した。春庭には最初の写本である。
本書は、賀茂真淵が、万葉主義の立場から歌を論じ、また、具体的に古学(国学)の学習法を説く。「皇朝のいにしへを尽くして後に神代の事をばうかがひつべし」という一節は、宣長宛書簡でも「人代を尽て神代をうかゞふべく」(明和6年5月9日付)と強調される所である。春庭の学問の第一歩に相応しい本である、
記念館本の書誌は、本居春庭写。袋綴冊子装。薄卵色地刷毛目表紙。寸法、縦26.8cm、横17.9糎。10行。墨付16枚。外題(題簽・宣長筆)「にひまなび」。内題無。蔵書印「鈴屋之印」。
【奥書】
「明和二年七月十六日に賀茂真淵かしるしぬ」。「安永四年乙未九月十九日課男健蔵写之、本居宣長」。
因みに版本は、寛政12年に荒木田久老の「五十槻園蔵版」として刊行した。
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「荒木田久老」
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