1階展示コーナーのお知らせ

 5 月14 日(火)から記念館1 階の旬コレコーナーでは、新茶の時期に合わせて「茶摘図」(中村左洲画)など、5点の資料を公開しています。
茶摘図三重は、静岡、鹿児島に次ぐお茶処。5月も中旬に入り、松阪周辺では茶摘みの時期を迎えます。そこで今回は、記念館の小津茂右衛門コレクションより、伊勢市二見の画家・中村左洲の「茶摘図」を展示します。青々と茂る茶畑と、茶摘みをする女性たち。さわやかな初夏の風景です。
左洲は家業の漁業を行いながら、絵を描き続けた人。魚や鳥・草花、中でもとくに鯛をよく描いたことから地元では「鯛の左洲さん」として知られています。
隣には、若い頃左洲に絵を学んだ宇田荻邨の「鈴屋翁 下絵」を掛けました。荻邨は明治29 年に松阪魚町に生まれ、幼い頃は鈴屋を遊び場にしていたと振り返っています。馴染み深い宣長の肖像を描いた際の下絵です。
また「茶」にちなみ、本居大平が「茶の湯」を題にして詠んだ長歌を、春庭の門人でもある尼子合明が板に彫った「大平長歌刻額」も展示しました。文字を正面からそのまま板木に彫ったもので、大平の筆跡がよく表現されています。近くで見ると、合明の繊細な仕事ぶりがよくわかります。
大平長歌刻額 大平長歌刻額
春の企画展「パール・ネットワーク―慶びの円居―」は、引き続き6 月9 日(日)まで開催しています。新茶の季節、ぜひ松阪にお越しください!

<松阪イベント情報>
5 月19 日(日)、旧小津清左衛門家(松阪市本町)を会場に「皇風煎茶禮式 三重大会」が開催されます。松阪といえば抹茶が有名ですが、この大会を機に、煎茶の歴史にも注目が集まればと思います。

2019.5.15